最近将棋界で問題になっていた三浦弘行九段のソフト使用疑惑。
第三者委員会が調査を行ったところ、「三浦九段が不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はないと判断した」としました。
そもそもこの騒動のきっかけとはなんだったのでしょうか。
渡辺竜王から将棋連盟への訴え「ソフト一致率90%」
近年、将棋ソフトはみるみる進化し、今ではプロでも研究に使うほどになっています。ですが、今まではプロ棋士がソフトを使用の噂はありませんでした。ではなぜ、三浦九段に疑いの目が向いたのか。
問題の発端は現在タイトル保持者である渡辺明竜王から将棋連盟への訴えでした。
その内容は三浦九段が勝利した20局のうち4局で定跡を外れて以降の手順がソフトの指し手と90%以上一致していたという内容の申し立てでした。
また、夏以降の対局中に一手指すごとに離席をするといった不自然な離席の多さも指摘していました。
私もテレビの報道映像を見ましたが、私には意図的に不正をしているかのように見せる映像に見えました。
プロ棋士が対局中に離席をするのは普通のことなのですが、その映像では離席シーンを切り取ってつなげたような不自然な印象を受けましたね。
これらの指摘を受けた三浦九段はソフト使用疑惑を全面否定。一方の渡辺竜王も全く譲らず、「疑念のある棋士と対局できない。タイトルを剥奪されてもかまわないといった発言をしました。
ですが、プロ棋士が対局を、ましてはタイトル戦に参加しないというのはとんでもないことですよね。
この発言はネットでも、さまざな意見が出ていました。「渡辺竜王が圧力をかけた」「渡辺竜王の私怨によるもの」など批判的な意見も多かったです。
結果、真相ははっきりすることなく、三浦九段は年内の出場停止処分をうけました。
出場停止による影響
年内の出場停止処分を受けることになり、三浦九段は全ての公式戦に出場することができなくなりました。その中でも、これらの。
竜王戦七番勝負の挑戦ができなくなった
三浦九段は今年の竜王戦の挑戦者に決定していましたが、この問題で出場ができなくなり、代わりに丸山忠久九段が竜王戦に挑戦することになりました。一部では「渡辺竜王が三浦九段を挑戦者から降ろすためにこの問題を起こした」といった声も上がっていましたが、真偽については謎のままです。
過去にこういった事例はなかったため、将棋ファンの間でもかなり話題になりましたが、竜王戦は無事行われ、竜王戦七番勝負は、4-3で渡辺竜王の防衛となりました。
A級残留の危機・・・
将棋のタイトルに名人戦があります。その挑戦者を決めるリーグ戦のことをA級といいます。将棋界のトップ10人が1年をかけて総当たり戦を行い、成績トップ者が名人に挑戦することができます。一方、成績が悪い下位2人は下のリーグに陥落します。
三浦九段は現在A級に所属していますが、出場停止の影響もあり、1勝5敗で成績は最下位となっています。
三浦九段は今年A級に上がったばかりなので、なんとか残留したいところですが、現状はかなり辛い状況となっています。
今後の将棋界、三浦九段について
今回、第三者委員会の調査結果により、不正の事実は認められなかったということですが、今後の対応についてはどうなるのでしょうか。将棋連盟は、証拠不十分のまま三浦九段を年内出場停止処分にしたことについてどう責任を取るのでしょうね。竜王戦にも出場できなかったですし、冤罪ならば大問題だと思います。
将棋界へのイメージも悪くなったので、スポンサーなどの影響も出るかもしれません。
一方、三浦九段は今回の騒動でかなりネガティブな印象を持たれてしまいました。テレビなどは不正を確実かのように報道していましたし、復帰しても元のようにはいかないかもしれません。ですが、冤罪だった場合三浦九段には全く非がないので、そこはファンの理解が求められますね。
私も将棋が好きなので、将棋界に悪いイメージが持たれる一連の騒動はとても悲しかったですね。将棋連盟にはしっかり対応してもらい、少しでも早く元通りになってほしいと思います。